ピタゴラスの定理。
あの数学の法則である。
この名前で思い出せるのは、
そこまでという方が
多いのではないだろうか。
今日は、
ピタゴラスの音楽について
探究してみたいと思う。
数学者としての側面の外側にある
哲学と、
音楽にまつわる一面を
訪ねてみたい。
”天球の音楽”を説いたピタゴラスの宗教観、世界観
ピタゴラスは、
紀元前582年―496年の
古代ギリシャの人である。
イタリアのクロトンに、
秘密主義の教団を創設した。
考え方も教えも、
本人が書いたものや語ったものは
残っていない。
秘密主義のためである。
残っているのは断片と、
同時代の人が書いた文献である。
それでも、
紀元前400年頃のソクラテス、
時代にも、
ピタゴラス派の思想研究は
盛んであったと言われる。
『ピュタゴラスの音楽』には、
次のように説かれている。
・ピュタゴラスと、
彼の存命中に付き従った
弟子たちは、考えや信条、教え、
規律の詳細を他人に
明かさなかったという。
彼らは何も書き残さず、
「尋常ならざる沈黙」を
守っていた。
・ピュタゴラスはオルペウス教を
選び、魂の転生、
つまり生まれ変わりを
信条とした。
・ピュタゴラスは生まれ変わりを
信じているだけではなかった。
彼は自分の過去の生を
覚えていると主張した。
・ピュタゴラスが
絶対視したのが、
神聖なるものとの同化こそ人間の
生活の正当で根本的な
目的であるという考えであり、
彼は、宗教的な天才として
ばかりでなく、
哲学や数学の天才としても
全力でこの考えを支持した。
ピュタゴラス主義の
独創性はここにある。
・ピュタゴラスが動物と
話す能力を持っているという
エピソードもあるそうだ。
・初期のピュタゴラス派が、
地球は動いており、
宇宙(「コスモス」)の
中心にはないと
述べていたことを明かした。
引用:『ピュタゴラスの音楽』
この本によると、
ピタゴラスはタレスや
アナクシマンドロスと同時代人で、
教えを受けた可能性があるという。
タレスは、
ギリシャの七賢人の一人である。
魂の転生輪廻を信じ、
地下の黄泉の国ハデスから
戻ったところだと告げた。
そんな記載もあるという。
ピタゴラス自身もまた、
霊能者だった可能性が高い。
自らの過去世を多数思い出し、
動物と話せる能力を持っていた。
神聖なるものとの同化こそ、
人間の生活の正当で
根本的な目的である。
それがピタゴラスの考え方だった。
こうして並べてみると、
ピタゴラス教団という集団のなかで、
彼が宗教の開祖的な側面を
持つ人物だったことが伺える。
ピタゴラスの説く”天球の音楽”と宇宙
では、
ピタゴラスの教えのうち、
遺っているものは何だろうか。
ピタゴラス派の発見として
言われているものの一部が、
次の内容である。
ピュタゴラスの定理で
知られる数学者ピュタゴラスは、
数をもってあらゆる世界の真理を
探究し、音という現象のなかにも
数的法則をみいだした。
伝説によれば、ピュタゴラスが
鍛冶屋の叩く金属音を聴いて、
「なぜこの二つの音は
美しく響くのか?」と
疑問を抱いたことから、
秤の重量と協和する音程
(8度、4度、5度)の
数的関係性をみいだし、
さらにそれがリラの弦の
長さの比にも関係あることを
発見したのだ。
8度が2:1、4度が4:3、
5度が3:2の周波数比の
関係にあり、
さらに5度と4度の音程差9:8を
単位音程(トノス、
現在の全音にあたる)とした。
ピュタゴラス音律ともいわれる。
引用:『ハーバード大学は
数をもってあらゆる世界の真理を
読み解こうとしたピタゴラスは、
金属音の響きから、
重量と協和音程の
数的な関係性を見出した。
そしてそれが、
リラの弦の長さの比にも
関係することを発見した。
この2500年前の発見が、
人類の音楽史を大きく進歩させた、
偉大な一歩だったのである。
また、ピタゴラスは
”天球の音楽”という
思想を持っていた。
ピュタゴラスは「天球の音楽」
という概念をも創出した。
天体は調和のとれた軌道に
沿って運航しており、
天球とは人間が聴くことが
できない音楽であるとした
考え方である。
プラトンも『国家』の中で
天球の音楽に言及している。
(中略)
プトレマイオスの
『ハルモニア論』でも、
天文学と音楽を結びつけている。
世界は一定の宇宙的法則で
なりたっており、
音と音を調和させている
数の法則は、
そのまま天体の
相互関係にもあてはまるとした。
個々の楽音に各惑星をあてはめ、
それらが律動的に
円運動をおこないながら
全体として調和(ハルモニア)が
保たれていることに言及した。
またそのハルモニア的な能力を
「至上の理性」としている。
引用:『ハーバード大学は
ピタゴラスは、
”天球の音楽”という概念から、
世界は調和という法則で
統べられていると考えた。
音と音を調和させる数の法則は、
天体の相互関係をも、
大宇宙をも統べている。
そうとらえたのである。
<ピュタゴラス派の発見>
〇「数の比」の関係に
「調和」の秘密がある。
〇ムーシケー(音楽)は
協和音程の数的関係によって、
宇宙(マクロコスモス:
宇宙に内在する法則性)と
人間(ミクロコスモス:
人間の魂の本質)の構造が
同一であるということを
表すもの。
〇天体は調和に満ちた軌道で
運行しており、
天球とは聴くことの
できない音楽である。
引用:
”天球の音楽”と大宇宙を貫く調和(ハーモニー)の法則
このムーシケー(音楽)の
調和の法則は、
宇宙(マクロコスモス:
宇宙に内在する法則性)と
人間(ミクロコスモス:
人間の魂の本質)の構造と
同一であるとするものであった。
この宇宙を統べているのは、
調べである。
宇宙を貫くその調べが、
世界をどのように設計し、
繁栄させるかを決める。
そういう説がある。
2600年の時を経て、
”天球の音楽”で語られた
大宇宙を統べる調和の法則の真実が、
明かされる時代が来た
のではないだろうか。
そして、
この調和の法則が
古代ギリシャでいわれていた
とおり真実であるならば、
音楽療法に見られるように、
音楽の調和(ハーモニー)が
人間の魂の本質
(ミクロコスモス)に
作用することも可能
なのではなかろうか。
響きが美しいのはなぜか。
その問いに、
ピタゴラスは数で答えようとした。
答えはリラの弦から、
天体の運行にまで及んだ。
人は目に見えないものを
理解しようとするとき、
どこかで音を頼りにするのだろう。
次回は、
ソクラテスと音楽について
探究してみたい。
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